雑記

【孤独はクリエイティブの素】Eテレ 知恵泉「 宮沢賢治 “好き”こそ苦しみと生きる道 」

こんにちは、七実です。

Eテレ「先人たちの底力 知恵泉」で宮沢賢治を特集していたので紹介します。

精神科医の斎藤環さんは、自分の居場所を見出せない「社会的ひきこもり」の悩みに、長年向きあってきました。

彼は、宮沢賢治のことを「クリエイティブひきこもり」と表現し、宮沢賢治の生き方に、孤独に悩む若者が自分を肯定するためのヒントがあるといいます。

賢治はすごく変わった人。

ひきこもりの若者と共通するところがある。

 1.先の見えない不安から抜け出すには?

質屋と古着商を営む裕福な家に生まれた賢治。長男として家業を継ぐことを期待されて不自由なく育ちました。しかし、成長するにつれて貧しい者を相手に利息を得る家業に対して軽蔑の気持ちを抱いていきます。

徐々に反抗的になり、中学生のころは授業も聞かず机に岩手山を彫っていたそう(笑)

この頃、同じ中学校の先輩である石川啄木の影響で短歌を書き始めます。先の見えない不安な気持ちを、日記のように短歌に残すことで向き合います。

このころの賢治の短歌は、かなり暗いです。

しかも、周りの動物や自然が自分を睨んでいる、責めているといった受け身的な表現が多く、周りからみるとアブない人と思われそうな作品ばかり。

ネガティブ感情を短歌にアウトプットすることでセラピー的要素があったのではと斎藤先生。賢治は短歌に熱中することで自己肯定感を得て、突き抜けることができたんですね。

得体の知れない不安に言葉を与えるのは精神科医療の第一歩なんです。

賢治はその後、勉強に熱心に取り組むようになり、盛岡高等農林に主席で合格することができました。

【七実ポイント】

・目に見えない不安を言語化してアウトプットしよう。

・好きなことにひたすら熱中し没頭することで、自分を肯定できる。

2.うまくいかない現実と闘うには?

学校を卒業すると、家業を継ぐ問題が現実に。

家業の転換も却下され、しぶしぶ家業を手伝うようになりますが、身が入らず父に叱責され自暴自棄に。

おゝ邪道!O JADO! O JADO! わたしは邪道をいく。見よこの邪見者のすがた。

学校でならったことはもう、糞をくらえ!

いやー、すごいこと書いてます…。

やがて法華経に傾倒し、その教えを盾に父と対立していきます。完全にヤバいです。

そしてついに耐えられなくなり、家出し上京。

教団の活動を手伝いながら、法華経の教えを童話で伝えようと1ヶ月3,000枚のペースで書きまくっていたそうです。

今でも有名な「どんぐりと山猫」「注文の多い料理店」などを自費出版しました。

賢治は文学の力で現実を乗り越えられると信じていましたが、ほとんどの作品は評価されず、雑誌に売れたのは「雪渡り」のみ。原稿料はわずか3,000円でした。

賢治はダメな人。今で言うニート、あるいはパラサイト。父の知り合いのつてを頼って上京し、仕送りをもらって生活していた。結局父の手のひらの上で踊らされていただけ。

斉藤先生がバッサリです。たしかに、今で考えるとクズですねー。

まさに中二病をこじらせた状態ですね。

七実ポイント

虚構性は現実を支える土台。「こうでない」世界、生き方の回路を確保することで気持ちに余白がうまれ、生きやすくなる。

3.大事な人の喪失と向き合うには?

家出から7ヶ月後、妹のトシが結核で倒れたと知らせを受け、花巻に帰ることに。

ここでも「つて」で教師の仕事に就きます(笑)

妹を理不尽に失う悲しみ。死から怒りや幻想が湧き上がり、多くの詩が生まれました。

トシの死後、賢治は一人樺太へ。トシの魂を追い求める旅でした。

自らを内省し、悲しみを抱えて過ごして1年が経った頃、トシの死を受け止めるような詩を書くようになりました。

全ての人間にトシを見なさい。

トシを愛したようにすべての人間にトシを見て

トシを会いしたように全ての人間を愛しなさいということ。

それは、死者を忘れることにつながるが同時にその死を抱え続けて生きていかなければいけないということ。

賢治は、あらゆるものを愛して、すべての生き物の本当の幸福を探さなければと考えるようになります。

そして賢治自身も結核を発症。トシの死をきっかけに生まれた思いは、病床で手帳に書き残した「雨ニモ負ケズ」につながります。

斉藤先生によると、人が喪失を受け入れるまでにたどる感情のルートのことを「モーニングワーク(喪の作業)」というそうです。

最初は否認や怒り、死者の幻影を追い求める感情など。いろいろな感情が段階的に進み、最終的に死を受容することができるようになるとのこと。

賢治の詩作はこのルートが全部入っているそうです。

自分が生きていることと、トシが死んだことを肯定するためには、強い言葉で書く必要があったと千葉先生。

大切な人の死を受け入れるにも、文学が必要だったんでしょうね。

七実ポイント

避けられない喪失を受け入れるまでには、様々な感情が入り混じる。

段階を踏むことで納得できるようになる。

4.孤独はクリエイティブな時間。コミュ力信仰を捨てよう。

SNSやLINEが普及して、いつも誰かと繋がっていないと不安になる人は「コミュ力信仰」が強いそうです。

しかし、何かを作り出すとき、人は孤独です。

人とコミュニケーションを取っているばかりでは、クリエイティブにモノを作り出すことはできません。

内側から発するものを見つめて形にしていくことが、自己肯定につながっていくのであって、コミュニケーションすることで得られる他者からの評価ばかりを自己肯定の材料にしていては、本当に好きなことや本音の感情を閉じ込めて、自分の中の創造力を殺してしまうでしょう。

一人の時の想像性の豊かさを賢治の生き方から学び取って欲しい。

童話書いてた頃の賢治までいくとちょっとヤバめなコミュ障っぽいですけどね(笑)

今はWEB上でなんでも発信することができる時代ですし、どんなに遠くにいる人にでも好きなことで繋がったり、共有することができます。

身近な人間関係やいいねの数で悩むより、孤独を受け入れて、それぞれの内側にあるクリエイティブを見つけていくことが大事ですよね。人は必ず全員が孤独なんですから。

いい番組でした。賢治先生の生き方は知れば知るほど興味深いです!

この番組が気になった方は、Eテレの再放送やオンデマンドで見れると思いますので、機会があったら見てみてくださいねー。

それでは、ごきげんよう。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください