雑記

【映画の感想】夜は短し歩けよ乙女を見た。巡りめぐるご縁の糸を結びながら、乙女は歩き続ける。

 

こんにちは、七実(@dvanchangos)です。

今回は「夜は短し歩けよ乙女」のDVDを見たので、感想を書きたいと思います。

少しのネタバレを含みますのでご注意ください。

 

「夜は短し歩けよ乙女」

3FDDADE4-55E9-4E55-AC0C-5CFAB46BFEE4

「夜は短し歩けよ乙女」は、森見登美彦の原作を湯浅政明監督が劇場アニメ化した作品だ。

原作は、長々とした独自の言い回しが生み出す軽快なテンポと、独特でファンタジックな世界観が人気の小説である。

湯浅政明監督といえば、同原作者の作品「四畳半神話大系」のアニメを担当。

今回の映画作品は、まさに「ご縁」といえる相性の良さで、同スタッフが再集結して結実した作品なのである。

 

湯浅監督といえば、2014年にフジテレビ”ノイタミナ”枠で放送されたアニメ「ピンポン THE ANIMATION」が記憶に新しい。私はこのアニメで度肝を抜かれた。

卓球のラリーの描写が、原作絵そのままに、ものすごい迫力とスピードで展開する。

目まぐるしく動くアングルと計算されたデフォルメで表現された独特の世界観は、原作との相性が最高だった。神アニメってやつだと思う。

 

また、声優も豪華で話題になった。

”先輩”役に星野源、”黒髪の乙女”に花澤香菜

他にも、秋山竜次(ロバート)神谷浩史中井和哉などが声優をつとめている。

 

あらすじ

この作品のストーリーはこうだ。

クラブの後輩である”黒髪の乙女”に思いを寄せる”先輩”は、今日も「るべく女のにとまる」ようナカメ作戦を実行する。

春の先斗町(ぽんとちょう)、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。

京都の街で、個性豊かな仲間たちが次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。

外堀を埋めることしかできない”先輩”の思いはどこへ向かうのか!?

公式HPより

 

話は、黒髪の乙女と先輩の目線が入れ替わりながら進んでいく。

 

「黒髪の乙女」は、ボブカットに赤い膝丈のワンピース、その上にカーディガンを羽織っている。見た目から、天然で、乙女チックな性格であることは見て取れるが、それとは裏腹にかなりの酒豪であり、好奇心モンスターである。

 

飲み足りない彼女が、オトナの世界へ導かれるべく、京都の歓楽街先斗町へ一人消えてゆくところから物語は始まる。

黒髪の乙女は、個性的すぎる面々と出会いを繰り返すことで珍事件に巻き込まれるのだが、彼女の、純粋さゆえの突拍子もない行動で次々と切り抜け、長い夜を軽快に渡り歩いてゆく。

 

一方、先輩はそんな黒髪の乙女と偶然を装って出会い、イイ感じになるチャンスと、彼女の後を追うのだが、どうにも空回りし、珍事件に巻き込まれる被害者に…。

 

序盤から、奇妙で個性的なキャラクター描写と次々起こる珍事件のスピード感がものすごい。

このわちゃわちゃした感じ、「四畳半神話大系」を見たことのある私のような人間はたまらないのだが、いきなり見た人は置いていかれるかもしれない。

さらに、原作では春夏秋冬を通して1年間のストーリーを、映画では長い一晩のエピソードとして構築しているゆえに、乙女と先輩の気持ちの移り変わりが細かく描写されないので、終始ラブストーリーとして感情移入することを期待している人にも不向きだ。

 

では、この作品が、ただの珍事件ばかりのハチャメチャな”お祭り的アニメ映画”なのかというと、それは違う。

 

とある一夜の”ご縁”のはなし

 

「こうして出会ったのも、何かのご縁」

というセリフがある。

 

人との出会いを偶然か必然かと考えても、最後までわからぬままに人は繋がっていくものだ。

人は孤独なままでは生きられない。孤独だと思っていても、どこかで誰かとつながって生かされるものだ。それを、運命とか、奇跡とか呼んだりもする。

 

そんな「つながり」という当たり前を再確認するのに、この映画はうってつけだ。

 

劇中で、孤独だと嘆く人物に、あなたが繋いだ縁が巡りめぐって戻ってくるのだと気づかせ、生きる力を与えるのが、黒髪の乙女なのである。

 

人と人のつながりの赤い糸の端と端を見つけては結び、その糸の上を軽快に歩く縁結びの神様がいるとしたら、それは黒髪の乙女のような人物ではないかと思う。

 

だって、彼女は「つながり」のチカラを信じているのだ。

 

自分も他人も大きなつながりの輪の中で生きていることを、本能的に理解している。

だからこそ、ついさっき会った酔っ払いのために一肌脱ぐし、誰に対しても謙虚に接する。(セクハラおやじにも”おともだちパンチ”という優しい暴力で抵抗する。)

クセの強い珍キャラクターと目まぐるしい展開で気づきにくいが、結果的に劇中の人物は繋がりあうことで救われているのだ。

そして、「ナカメ作戦」で、偶然を演出して外堀を埋めることにこだわっていた先輩もまた、黒髪の乙女の行動で”ご縁”がつながれていく。

 

黒髪の乙女の「運命思考」という強み

先日、私はストレングスファインダーという、34種類の能力(強み)を診断するテストを受けたのだが、5つの強みのうちの一つが「運命思考」だった。

運命思考とはこのような強みである。

 

運命思考という資質を持つ人は、あらゆる人や物事は互いに結びついていると考えています。この世に偶然と いうものはほとんど存在せず、ほぼあらゆる出来事には何らかの理由が存在すると確信しています。

 

ゆえに、以下のような能力が発揮できるという。

他の人の悩みや相談にのりましょう。背後にある目的やつながりに気づかせることができます。

組織やコミュニティーなどに参加しましょう。あなたのつながりに関する感覚や力が活かせます。

チームを作ったり、そのリーダーになりましょう。あなたの周囲に対する理解が彼らに重要感を与えます。

異なる文化や考え方を持つ人とつなぐ役割を果たします。

 

まさに、つながりを作ることが得意な黒髪の乙女そのものだ!

と思った。

 

しかも、私が同じ強みを持っているのだと思うと嬉しくなった。

私は乙女のように強みを生かせているかどうかはわからないが、これからきっと実感することがあるだろう。

 

この映画を観てよかった。これも何かの”ご縁”なのだろう。

 

原作はこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です